胆管がんの手術

   私は専門家ではもちろんないので、元夫の闘病を見ていただけだった。

 当時はもう離婚していたので、その生活も詳しくは知らない。

 ただ、どうもお酒をよく飲んでいたらしい。

 胆管がんが見つかって、入院、手術となると何かと署名を要求されたりする。

 彼は天涯孤独なので、病院へ駆けつけた。

 その手術は初めから,開腹手術だった。

 胃も腸も胆管も膵臓も、よくは覚えていないほど切除したらしい。

 術中に病院で待っていた。私はこうした時、とにかく、祈ることにしている。

 すると、まず、彼の魂が見えた。その上から手術をなさる先生方の大きな魂が

 包んで治療しておられる。多分きれいなブルーのオーラだったと思う。

 涙が止まらなかった。ここまでして下さるかと、思った。

 のちにその医師が病室に来られた時、びっくりするほど大きなオーラだった事を

 憶えている。

 でも、その手術はなんと、13時間も続いた。「その間、ご飯はどうなさる?」

 聞いてみた。「術中にご飯を食べようなどと思ったことは一度もありません。」

 と言われた。

 医者の基本的人権はどうなってんねん。などと思ってはいけなかったのか?

 でも、後にその方の手にちょっと興味があったので、覗いてみた。

 なんと、手自体は、まあまあだったけれど、兎に角、爪が小さい。どの指も。

 ショックだった。やっぱり、過労だ。オーラの大きな人はその体のオーラも

 大きいので、普通の人より丈夫で体力もあると聞いていた。

 それなのにやっぱり、弱っておられる。

    どうか、医学界の方々、お医者様の基本的人権を守って差し上げてください。

 13時間も飲まず食わずなんて、先生たちがガンになりそうではありませんか?

 このことは心底祈らずにいられない出来事でした。